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登山者のための絵画の基礎知識―絵の具について(その3)
絵の具についての最後は日本画です。面白いのは日本画の絵の具とは顔料(単体)をさすことです。メディウムで練って製品化したものではありません。作家がメディウムを独自に作るといったイメージでしょうか。
日本画絵の具は種類がとても多く、岩絵の具は3000以上あるといわれています。鉱石が原料の「岩絵の具」、胡粉などが原料の「水干(すいひ)絵の具」、貝殻が原料の「胡粉(ごふん)」などさまざまです。
これらは単体で使うことができないので、展色材としての膠(動物のコラーゲンなどから抽出された糊のようなもの)などを混ぜて使いますが、それぞれの性質に合わせた使い分けが重要です。ですから日本画では、まだまだ粉のものが一般的なのかもしれません。